シュミエイガ

映画の感想・連想・妄想ついでにイラスト:履歴書の趣味欄は映画鑑賞だった

20年ぶりに、「ゴースト&ダークネス」:人喰いライオンvs.凄腕ハンター

2頭のライオンに肩入れした記憶あり

もう一度みる気になったのは、別の映画「VHSテープを巻き戻せ」に触発されたから。ビデオレンタルショップ隆盛当時、気に入った映画をVHSテープにダビングしてコレクションしていたことを懐かしく思い出した。確かこの映画もコレクションにあったはずだ。

草原の中の2人のハンターとライオンの尻尾

記憶と合ってたのは黄色い草原だけだった

忘却?記憶の捏造?

ストーリーを恐ろしいほど忘れていたおかげで、初見のごとく観賞。ゴーストとダークネス、怖かったです。こんな話だったんだ。

実は再見するまで、自分の中では「かっこいいゴーストとダークネスが人間に殺される話」になっていた。風にうねる黄金色の草原の中を、堂々とした体躯の2匹のライオンが波を分けるように歩む姿(注:そんなシーンは存在しません)が映画のタイトルから思い出されるイメージだった。

もしかしたら当時、「象牙を運ぶ鉄道」というところに憤っていたのかもしれないし、あるいは2匹のように、生きるためでなく、娯楽や不快感から生き物を殺すことは、我々が日常にやってることじゃないかと思ったのかもしれない。

ハンター2人、パターソンとレミントン

ライオンと戦う人間側、ハンター2人のことはすっかり忘れていた。犠牲者の火葬シーンで、パターソンが故人に送るジェスチャーが好きだな。彼が携帯カンテラに火を灯す手際と、その動作にちらりと目を落とすレミントンの無言も好きだ。

この映画のことが好きだという人がいた。彼が「いい映画だった」と言ったとき、こんなシーンを思い出していたのかもしれない。

今でもこの映画が好きかな?

今回、この映画を再見して実話がベースと知った。

早速検索。シカゴ博物館の「The Tsavo Man-Eater」の剥製画像に行き当たった。映画のライオンたちと随分印象が異なる。オスだとしたら、まだとても若いライオンたち。この2匹がたくさんの人間たちを殺して喰った。人間は反撃する牙も爪も持たず、逃げ切る足もなく、何より危険な気配に鈍感だ。狙いやすい獲物だったんだな。

この2匹を殺した際に撮影された写真もネット上にあった。死んだライオンとパターソンの後ろにヒョウかチーターの剥がされた毛皮が写っている。毛皮の主は人を殺したから退治された訳でも食料としてハンティングされた訳でもなかろう。

ゴーストとダークネスのモデルになった2匹の人喰いライオンの毛皮は、パターソン家の敷物として長く使われたのち、博物館に売られて剥製になったとか。

実話を知ると、なんだか悲しい。やっぱり2匹のライオンが殺された話になってしまった。

1996 The Ghost and The Darkness アメリカ