アダムと一緒に戸惑いの連続
草原の中にポツンと立つ教会にやってきた仮釈放中のアダム。牧師イヴァンとの何処か噛み合わない会話の中で、活動目標につい「アップルケーキを焼く」と言ってしまった彼の日常は、小さな「変」な出来事で埋め尽くされる。
「他人が世界をどう見ているか」が気になるかならないか
自分に降りかかる怒涛の不幸な出来事を、「神の試練」と解釈しようとしているイヴァンを追い詰めるアダムである。こちら、例えイヴァンが真実から目を背けていようとも、それで本人が楽ならいいんじゃない?と思ってしまう。でもそれじゃあ物語が動かない。
アップルケーキ作りを邪魔するようにリンゴの木に降りかかる災厄。アダムは眉をひそめつつもそれらの事柄を常識の範疇に収めようとするが、小さな災厄が転がって転がって、いつの間にかアダムを変化させ、奇跡(ただの偶然かもしれないが)を起こす。
意味を見つけたければそうすればいい。必要なければ探さなくてもいい。そんな気がする。
2005年 Adam's Apples デンマーク・ドイツ