ほとんど会話ないけど耳を澄ましていた
「みかんの丘」からアブハジアつながりでみた映画だ。
登場人物は数人。大きな川の中洲でとうもろこしを作るおじいちゃんと孫娘、土地を巡り敵対する兵士達が数人。
毎年現れては消える中洲、そのわずかな土地にトウモロコシを植え、収穫するのはこの地域の伝統的な生業か、それとも内紛時代限定の農業形態なのだろうか。
会話はほとんどない。おじいちゃんや少女と一緒に川の音を聞く。風が鳴らす葉ずれと鳥のさえずり、そして時々の銃声。水と湿った土の匂いがする。
2人が耕した中洲は水の中に消え、季節が巡り中洲が蘇ると、耕す土地を求めてまた人がやってくる。
引き裂かれ沈む土に、マントルの上に浮かぶ薄い地表を連想。
私が今座っている椅子の下の土地も姿を変えていくだろう。人間の世界では私のものと言うことになっているこの土地は、同時にここに生きる昆虫や微生物や鳥や動植物のものでもある。彼らに向かって土地の所有は宣言できないよ。
なので土地は誰のものでもないような気がするのだ。あえて、おじいちゃんの言葉を真似て言うと「ここに生きるものの土地だ」かな?
そして10万年後ぐらい後に誰かが(何かが)ここを掘ったら、過去に生物がいた痕跡があるとかないとか論争が始まったら面白いな。
2014 Corn Island ジョージア・チェコ・フランス・ドイツ・カザフスタン・ハンガリー