家にフルタ製菓のハリーハウゼンシリーズのフィギュアが何体かある。当時フィギュアコレクターだった知人が重複して手に入れたものを譲ってくれたのだ。
フィギュアのもととなった映画を見たことはなかったが、昔TV放映で繰り返し見た「タイタンの戦い(1981)」の特撮もハリーハウゼンの手によるものと、その頃教わった。
シネフィルでハリーハウゼンが携わった映画の特集が組まれ、以下の5作品を録画していた。それを一気に見た。
映画の世界に耽溺したり、登場人物に共感したりする鑑賞の仕方ではなく、特撮を見る。それもこの映画が作られた時代の観客になった気分で。そんな楽しみ方をした。当時みんなワクワクして驚異の映像に見入ったのだ。
制作する側の楽しみも想像しながら見たあと、それぞれの好きなところを書き留めておく。ストーリーではなく目が楽しんだポイントだ。
「水爆と深海の怪物(カラーライズ版)(1955)」
店舗の窓ガラスを破って入った触手が物をなぎ倒すシーン。潜水服のイエローとカーキ色のボンベの取り合わせ。
「世紀の謎 空飛ぶ円盤地球を襲撃す(カラーライズ版)(1956)」
宇宙人のノペッとしたシルバースーツとカカシのような歩き方。
「地球へ2千万マイル(カラーライズ版)(1957)」
卵の時に誘拐され、地球で泣き叫ぶイーマ。タスマニアデビルの鳴き声を連想。イーマと巨大象のバトルでは象の方に目がいく。
「SF巨大生物の島(1961)」
ネモ船長作、貝で作ったダイビングツール。
「ガリバーの大冒険(1960)」
少女がガリバーとエリザベスを入れるバスケット。花模様が可愛いのだ。
オリジナル版を見てみたい
カラーライズ版とあるからオリジナルは白黒作品か。着色することで生きる画面がある一方で、失われるものがあるだろう。
日本映画の初代ゴジラは白黒だからこそ、暗く沈んだゴジラのシルエットが恐怖を醸し出す。ゴジラがカラーライズされたら、迫力が減じてしまいそうだ。
今回の5本のうち、「水爆と深海の怪物」が一番好きだ。生物のストップアニメーションが好きなのだ。