シュミエイガ

映画の感想・連想・妄想ついでにイラスト:履歴書の趣味欄は映画鑑賞だった

映画「ラ・ジュテ」:男と女どちらの夢?

モノクロの静止画と男のモノローグで綴られる物語

f:id:movies-365:20200910205836j:plain

わずかに生き残った人間が地下に逃れて暮らす近未来、荒廃したこの世界を救うために、支配者が時を越える人体実験を繰り返す。少年のときに見た忘れ得ぬ女性への想いが男にタイムトラベルへの耐性をもたらす。過去で繰り返す女性との逢瀬、そして世界を救うための未来へ旅。その結末は・・・。

なんだか夢のような余韻。未来から現れてはフッと消える男のことを「私の幽霊さん」と呼ぶ女性。女性の寝顔のクローズアップが印象に残り、この物語は女性の夢なんじゃないかとも思える。

この映画を元ネタにした「12モンキーズ」を公開時に見た。1995年のことなので記憶はずいぶんとおぼろげだが、あちらでは男と女は一つの目的のために行動していたような気がする。そして「少年の時に君をみた」と伝えていたような。だから、少年時代の男の瞳をありたけの想いを込めて見つめたのだ。

この「ジュテ」では「君を見た」と伝えていたのかな。幽霊さんが消えない死体になって足元に転がった時、彼女は少年時代の彼を見つけることができたのかな。

ラストシーンで、彼を追いかけて来た支配者側の男が現れるのだが、その男も過去に飛ぶことができるのだな。でも彼のように未来に飛ぶ適性はなかったということかな。

楽しげな博物館でのデートシーン。彼の時代ではおそらく絶滅した動物たちの剥製が二人を取り囲む。この映画には男のモノローグ以外セリフはないので、自然に笑い合う二人の間で交わされていた会話は役柄のものではなく俳優たち自身のものだったりして。

1962年フランス:La Jetee